ニューヨーク急に肌寒くなりましたが、アメリカは政治の季節が満開!
今週月曜日、11月の大統領選に向けたテレビ討論会が開かれ、
大統領選の討論会としては史上最高の視聴者、
8400万人つまり国民の4人に一人以上が見たことになり、これはアメリカで毎年最高視聴率を記録するアメフト中継スーパーボウルに迫る数字。
というのも共和党トランプと民主党ヒラリーの初めての全面対決。
トランプ候補は人気テレビ番組で「お前はクビだ〜」というフレーズで知られる名物ビジネスマン。
キレやすいことで知られる彼が最後まで冷静でいられるのか?
対するアメリカで初の女性大統領候補であるヒラリー候補が
トランプ候補の攻撃をどうかわすのか? など見所いっぱいまさに政治ショー!
もちろん私と同様自宅テレビで見た人が多いと思いますが、市内のスポーツバーもディベート観戦客で賑わった模様です。
そしてご存知の方も多いと思いますが「ジャパン」も話題に登場しました。
どんな討論会だったのか、大統領選にどんな影響を及ぼすのかレポートします。
大統領候補のテレビ討論会は、
聴衆の前で重要な政策やお互いの意見を戦わせることで、
その違いはもちろん、候補者の性格やとっさの対応などを
ハッキリと見きわめることができる、とても重要なイベント。
今回は3回のうちの1回目、最初の議題は貿易と経済でした。
まずトランプ氏は TPPに反対、減税で企業の海外流出を妨げると主張。
それに対しヒラリー氏は、 富裕層に増税して中流層にテコ入れするのが
経済を強くする最善の道。とまさに水と油。
でもこのへんからトランプ候補の雲行きがだんだん怪しくなっていきます。
司会者がトランプ候補に対し、歴代の候補者は全員発表している確定申告書を公開していないことに触れると「別に公表しないと言っているわけではない、ヒラリーが問題の個人メールを公開すれば私も公開しますよ」と言い返したのに対しヒラリー候補は一言、
「ドナルド、あなたが確定申告書を公開したくないのは、連邦所得税を納めていないのを、有権者に知られたくないからではないですか?」とグサリ。
そこでなんとトランプ氏はこう答えたのです。
「That makes me smartそれが賢いやり方というものだ」
会場が一瞬凍りつきました。税金を払わないのが賢いの?じゃあ払っている私は何? と思った人多かったと思います。
その後はトランプ候補がヒラリー候補を攻撃するたびに、
彼女はにっこり微笑みながら厳しいリターン 。
次第にトランプ氏の鼻息が荒くなり、 水を飲んだり、何度もヒラリー氏の発言に割り込んだり、何よりトランプ氏の準備不足が明白に。
そんな中で日本も話題に上がりました。
トランプ候補が「日本を防衛しているのに正当な対価が支払われていない、それじゃ守れない」とイチャモンをつけるような言い方をすると、
ヒラリー候補は「大統領ならものの言い方に十分注意すべきですね。」と言いつつ
「日本とは相互防衛条約を結んでいますから、それを尊重いたしします。」とピシャリ。
格の違いとばかり見せつけました。ヒラリーは’Predidential(大統領にふさわしい)トランプは重要な外交案件に関して不注意、明暗が分かれた瞬間でした。
そんなこんなで、討論会にどちらが勝ったか? という世論調査、
CNNの発表ではヒラリー62% トランプ27%でヒラリー勝利
だったら11月の選挙ではヒラリーが勝つのかというと、それは全くわかりません。
というのもこの討論会は主に、まだ誰に投票するか決めてない浮動票獲得のために行われるから。
その浮動層の中でも最も手ごわいのは主にミレニアルズ世代の若者です。
以前も何度かお伝えしたようにオバマ大統領を当選させた大票田ですが、
決めてないというよりヒラリーにもトランプにも投票したくないと思っています。
特にヒラリーはこの層がどうしても必要ですが、
今回の討論会では彼らの気持ちは動かなかったようです。
あと2回の討論会でヒラリーがこうした若者をつかめるのか。
そうでなければ、彼らは投票に行かないか、第三政党の候補者に投票し、
トランプ当選の可能性が高くなります。
最新の世論調査ではヒラリー支持45%トランプ41%
次の討論会は10月9日 に行われます。
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