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アメリカ合衆国大統領はどれほど健康であるべき?(9/29/2016)
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ニューヨーク急に肌寒くなりましたが、アメリカは政治の季節が満開!
今週月曜日、11月の大統領選に向けたテレビ討論会が開かれ、
大統領選の討論会としては史上最高の視聴者、
8400万人つまり国民の4人に一人以上が見たことになり、これはアメリカで毎年最高視聴率を記録するアメフト中継スーパーボウルに迫る数字。
2016年9月11日、メモリアルプールに集まった観光客
今週の日曜日は911 アメリカ同時多発テロから15周年でした。
ワールドトレードセンターでは犠牲者全員の名前を呼ぶ追悼式が今年もしめやかに行われました。
そんな中で痛感したのは、当事国アメリカでも「忘却・風化が始まったアニバーサリー」だったこと。
ワールドトレードセンターは、グラウンドゼロと呼ばれていましたが、そんな風に呼ぶ人ももうほとんどいない・・・というのもほぼ完全に復興。ツインタワーの土台の上に作られた追悼碑とメモリアル・ミュージアムが残るのみです。
その追悼碑を9月11日の夕方に 訪れると、たくさんの観光客が盛んに写真を撮っている・・・セルフィースティック(自撮り棒)とか使って、普通の観光地と変わらない賑わい・・・・ニューヨークで911を体験した私としては ちょっと複雑でした。特にニューヨーク以外の場所では風化が始まっているんだろうな、と感じたのです。
医療・健康という切り口で見ていくと、メインストリームのニュースには書いていないようなアメリカ社会の微妙な変化を読み取ることができて、書いている私もとても勉強になります。
写真をクリックすると記事一覧にジャンプします。(毎週水曜日発売号に掲載・ネットは木曜日更新)
毎週日刊ゲンダイの医療・健康ページに連載しているコラム。
「日刊ゲンダイ・ニューヨークからお届けします!」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/index/life/2514
CNN.comの二人の写真ベスト・ショットかも?
世の中というのは底辺から見る方がよくわかる、ありがたいことに私は有色人種で移民でハーレムという黒人居住区で黒人の家族と暮らしているので、今回の大統領選の構図がそうでない人よりも少しだけよく見えています。長いですが興味がある方は是非お読みください。
今回の大統領選は、アメリカが21世紀の未来を選ぶか、1950年の価値観に戻るのかの、まさに究極の選択だと思っています。
初の女性大統領誕生か否か、そのカギを握るのは、
ミレニアルズと呼ばれる若者層です。
前にも行ったかもわかりませんが、ミレニアルズというのは
アメリカの人口の約4分の1をしめる大世代グループ、大票田だから。
オバマ当選も彼らの力が大きかった。
でもこれもお伝えしたように、彼らが支持しているのは、
ヒラリーではなく、 指名争いで負けたバーニー・サンダース。
彼らとしては、ここまで頑張ってきた政治革命を終わらせるのは許せない、
ヒラリーにだけは投票したくないという彼らに対して、
バーニーは「ここは結束してトランプを倒さなければ」と訴えていますが、
焼け石に水な感じ。
とにかく彼らは怒っている。
貧富の差や失業、スチューデントローンの重圧、
自分たちの世代は政治に捨てられたと考えているからです。
でもヒラリーにはどうしても彼らの力が必要ですし、
おそらくヒラリー陣営が一番恐れているのは、バーニーがいない今、
彼らが投票に行かないことです。
そうすると投票率が下がる。
そうすると、 年長の保守の白人男性の、
一番ちゃんと投票に行く人たちの支持を受けている
共和党のトランプが勝つからです。
特にブルーカラーの白人で、失業や貧困は移民優遇政策やTPPのせい、
急激な時代の流れに取り残されたと感じている人たち、
もちろん、 女性が大統領になること自体に反感を持つ人もたくさんいます。
長く続いた白人男性主導のアメリカ社会が、
移民や有色人種、女性のパワーによって変わっていく危機感も彼らにはあります。
まさに時代の変わり目、 どう転がるかわからない選挙になっています。
そのトランプ候補、とにかくヒラリーに集中砲火を浴びせていますが、
今日の記者会見では「ロシアにヒラリーのメールをハックして欲しいくらいだ」
と言って、大きな波紋を呼びました。
大統領になろうとする者が、他国に対して自国民をスパイしろってどうなの?と
叩かれてはいますが、
結果として、ヒラリーの歴史的瞬間にまで、
ヘッドラインを持って行ってしまいました。
とにかくトランプがすごいのは、根拠があってもなくても
「Crooked Hillary嘘つきヒラリー」と言い続ける。これがまたキャッチーというか、
まるで呪文のように、メディアを通じて有権者の頭に刷り込まれる。
こうやってヒラリーのイメージをトランプが作っていると言ってもいいくらいです。
メディアを手玉に取るトランプに対し、
これだけ実績と実力のあるヒラリーが苦戦するというのも、
メディア主導、イメージ先行の時代ならではの怖さがあると思います。
そのイメージを変えよう、ヒラリーを盛り立てようと、民主党大会には、
政界の重鎮からハリウッドセレブまで、連日すごい人たちが駆けつけています。
昨日はクリントン元大統領、今夜のオバマ大統領が素晴らしいスピーチをしました。
そして明日ヒラリー自身が何を語り、
真のヒラリー、等身大のヒラリーをどう見せることができるのかによって、
また流れが大きく変わるかもしれません。
オマケ:アリシア・キーズが火曜日の最後に歌った「Superwoman」
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アメリカは今週も激動の1週間でした。またも銃の事件が起きた一方で、先週取り上げたPokemon GOも 引き続き大ヒット中、そしてたった今はクリーブランドで開催中の共和党大会で一色。
これがもう前代未聞のツッコミどころ満載で面白すぎる! 今日はそれをレポートします。
ここで復習すると、共和党大会というのは、共和党の大統領候補を正式に指名するイベントです。
党の重鎮や候補者の家族が登場し、党としての施策や候補者の人となりを語り、
4日間が終わる頃には、党として 選挙戦を戦う準備がしっかり整い、国民も候補者がある程度理解出来る・・・はずなんですが、ものすごく錯綜しています。
まず異端児トランプ候補というのが最大の理由で、共和党の重要人物、二人の前大統領含めたブッシュファミリーなどは異例の欠席。
でスピーチで登場する政治家たちは、民主党ヒラリー・クリントンの悪口ばかり。
3日目の今日は大物、元対抗馬のテッド・クルーズが登場したものの、トランプを支持しないスタンスを打ち出したためにブーイングになるなど、前代未聞の事態になっています。
しかし何と言っても今日の時点で、今年の共和党大会の伝説になりそうなのは、初日に起こったトランプ夫人のスピーチ盗作事件。スピーチの一部がオバマ夫人が8年前の党大会で話した内容と、そっくりということで大騒ぎになりました。
どのくらい似ているかというと、小学生が見てもわかる。明らかにコピペに見える。
左がミシェル夫人、右がメラニア・トランプ夫人のスピーチ。ハイライト部分を比べてみてください。
そもそもメラニア夫人のスピーチはとても良かったので、この疑惑が持ち上がった時は、残念というか、対抗勢力からは「やっぱりね」というちょっとバカにして上から目線で見るような雰囲気もありました。だいたいこういう場のスピーチは、スピーチライターが書くか、本人が書いたものをスピーチライターが直したりチェックするのが当たり前。だから「スピーチライターがコピペしたんだじゃない?」「間抜けだよね」という噂が飛び交いました。一方で言葉をチェックしていなかったトランプ陣営の甘さも印象付けられてしまいました。
ところがそんな中トランプ側は 「偶然だよ。こんなの普通の言葉、誰でも使うでしょう、」と頑なに全面否定。ジャーナリストと押し問答になる場面も。
そして3日目になってようやく、スピーチライターがお詫びの声明を発表しました。「トランプ夫人が、こんな感じの話をしたい、とミシェル夫人のスピーチを例に出して言ってきたので、それをメモしてそのまま使ってしまったんですごめんなさい。」
ホンマかいな? ですが、認めて誤ったことでこの事件は一件落着。
ところがトランプ氏はこのスピーチライターに対して「うっかりミスだね、誰にでもミスはあるから仕方ない」と何だか急に優しいいい人になっているんです。
これまでトランプ候補が見せたことのないソフトな一面とメディアも驚きました。トランプ候補はこれまで女性の支持がとても低かったのですが、この事件が女性にアピールするソフトなイメージ作りに思わぬ貢献をするかもしれません。
そして 、もう一つ紹介しておきたいのがクイーン事件
彼らがトランプ登場シーンに使っている楽曲、アメリカ人なら誰でも知っているクイーンの大ヒット曲「WE ARE THE CHAMPIONS」なんですが、
クイーンからは「この曲を使ってほしくない」とクレームが来ています。
これを共和党大会で使うのは党のポリシーに反しています。なぜなら、
まず共和党は保守派ですから、移民に反対、銃規制反対、妊娠中絶にも反対、そしてLGBTゲイの権利拡大にも反対。
でもクイーンのこの曲を書いて歌った、故フレディー・マーキュリーは、音楽ファンなら誰でも知っている、ゲイです。トランプさんは知らなかったんでしょうね。そう、誰にでもミスはある!
ツッコミどころ満載の共和党大会、さて明日の最終日はいよいよ、トランプ候補自身が候補指名を受けてのスピーチが行なわれます。明日も一体何が起こるのか目が離せません!
オマケ:We Are The Champions / Queen
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JFNの午後ワイドDAY BY DAYの電話レポート今週は、ニューヨークの今週の最大の話題、昨日行われた大統領選の予備選挙を振り返りました。
それにしても、大統領ではなく候補者を選ぶだけの予備選がこんなに盛り上がるのは25年住んでいて初めてかも!?
両党のフロントランナー4人のうち3人 がニューヨークゆかりということもありますが、他にも理由があるんです。
ということで <今日のキーワード:大統領選・究極の選択>
メディアの論調を見ながらニューヨーカー目線でお伝えしたいと思います。
まず予備選の結果:共和党トランプ圧勝、民主党ヒラリー大賞、サンダースの連勝を止めました。
トランプの圧勝にはニューヨーカーも驚いた。
これだけ批判されているのに・・・メキシコ国境に高い壁を作って移民を食い止めろとか・・・バカにもされています、先日は911ナインイレブンと言おうとしてセブンイレブンといってしまったり!!!!
なのになぜ勝ち続ける?
その理由を誤解を恐れずに言うと→今回の選挙は究極の選択だから
・・・こんな世論調査が発表されました。 候補者の支持率ではなく「不支持率調査」
共和党のトランプ支持しない 68%
2番手のクルーズ支持しない 61%
つまり有権者はどちらも嫌!
特にニューヨークでトランプがクルズに大勝したのは、クルズがあまりにも保守、極端に右よりすぎるからと言われています。
そんなわけで今回の選挙は消去法の選挙、まさに究極の選択!!
一方民主党はちょっと違う
ヒラリー支持しない 58%
サンダース支持しない48%
だったらなぜヒラリーが勝つの? なぜサンダースの奇跡はニューヨークでは起こらなかった?
・・・サンダース候補は特に若者に人気というのは聞いたことがあるでしょう?
ニューヨークでは 18−29歳の実に7割がサンダースに一票を投じました。
貧富の差解消というスローガンや、権力とつるまないクリーンなイメージが強く支持されているんです。(サンダースについて東洋経済オンラインの「ミレニアルズ」 月刊「美楽」で詳しく書いています)
なのにサンダースが負けた理由は若者の投票が足りなかった・・・いやむしろしたくてもできなかった若者が多いからでは?とも見られているんです。
その理由は、州によって違うややこしい選挙法です。
アメリカは日本のように選挙権のある年になっても通知はこない
自己申告で投票権を得る。その時に支持政党を選んで登録します。
政党を選ばなくてもいいんです。INDEPENDENT でもいい。
まずこの締め切りが先月でした。
そしてニューヨークでは、州によって違いますが、ニューヨーク州の「予備選」では、
民主党に登録した人は民主党候補に、共和党に登録した人は共和党候補にしか投票できない。党をまたいじゃダメ。
じゃあ政党を選ばなかった人は・・・どちらの候補者にも投票できない。
ところが実は、今やアメリカには民主でも共和党でもないINDEPENDENTの有権者が4割もいます。つまりかなりの数の人は、トランプにもヒラリーにもサンダースにも投票できなかったことになります。そして実は、INDEPENDENTからの変更も含め、支持政党を変更する手続きは、去年の10月に締め切られていた!
これを知らない人がすごく多かったんです。
そして、もうお分かりと思いますが、サンダース支持の若者の多くは「インディペンデント」!!中には党籍関係なく投票できる州もある、そういう州でサンダースは勝ち続けてきたんです。
もちろん本選ではこんなことはないですよ。でも予備選で勝たないと候補になれないですからね!
ではまだまだ続く予備選は今後どうなる?
やはりトランプ、そして若者がキーになると思います。
嫌われトランプが同じくらい嫌われクルズのおかげで消去法で共和党候補になるのか?
サンダース支持の若者がどこまで投票所に押し寄せて、嫌われヒラリーを負かすか?
まさに究極の選択?
ちなみに今大統領をやった場合 、民主党候補がヒラリーなら、ヒラリーに勝てないのは、共和党のフロントランナートランプとクルズの二人だけ・・・だそうです。