[Radio]日本の包丁でアメリカの食を変える川野作織さん: JFN Day By Day

Saori Kawano wi/Marcus Samuelsson

Saori Kawano wi/Marcus Samuelsson

7/4 独立記念日の3連休、人によっては4連休でした。バーベキューしたり、ビーチに出かけたり思い切り遊んだ後、今週はみんな疲れて仕事もスロー。その上熱波が来ていてグッタリ・・・

こういう暑い日は美味しいご飯を食べて元気を出すのは万国共通!というわけで今日はNYから食べ物の話題「食のエジュテインメント」です。

先日こんなイベントがありました。
ニューヨークのジャパンソサエティという日本文化の発信拠点で開催されたトークショー。
タイトルはChef’s Choice「ニューヨークのセレブシェフが語る、日本食の影響」

ゲストで登場した二人のセレブシェフがすごい!
まずマーカス・サミュエルソン、テレビやイベントに 登場しまくっている、
飛ぶ鳥を落とす勢いのセレブシェフ。
そしてもう一人のマイケル・アンソニーは、「グラマシー・タバーン」という
ニューヨークで最も革新的でステータスが高いレストランのシェフ。

アメリカのレストラン業界で最も影響力のある二人ですが、
主役は別にいました。二人が囲んだ日本人女性です。
川野作織(さおり)さん、
彼女はシェフではありません。日本の包丁を販売する会社の社長さんです。

この日本の包丁が今大注目を浴びています。

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L to R Don Gabor, Michael Anthony, Saori Kawano, Marcus Samuelsso

例えば業界紙や食専門のウェブサイトで、

有名シェフが使うお気に入りのナイフは? という記事があると、
その8割以上は日本製の「包丁」です。

実はこれはすごいこと! というのも、
つい最近まで、有名レストランのキッチンでは
フランスやドイツ製ナイフだけしか、使われていませんでした。
家庭ではまだまだアメリカ製が主流。
大きなお肉の塊を着るには、重くて丈夫な西洋の包丁が適しているからです。
でもそれも変わるかもしれません。

その仕掛け人が、川野作織さんです。
作織さんは1978年にアメリカに渡り、82年に「KORIN」という会社を創業、
日本の包丁を、日本人経営のお寿司屋さんやレストランにおろす仕事を始めました。
最初は小さなビジネスだったのが、90年代にスシブームが始まり、
お寿司屋さんが増えて、包丁も売れるようになりました。
太くて重い西洋の包丁では、繊細なスシネタを薄く切ることはできないから。

でも作織さんがすごかったのは、営業先を日本食以外のアメリカのレストランにも向けたこと。
でも当時のアメリカ人シェフは日本の包丁について何も知らない、
西洋の包丁とは大きく違うから使いこなせない、その結果「売れない」。
そこで作織さんは、
日本の包丁の使い方や手入れの仕方をレストランに出張して教えることにしました。

おかげでもともと日本食に強い興味を持っていたセレブシェフたちが、
日本の包丁の虜になったのです。

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Michael Anthony and Saori Kawano

シェフのマイケル・アンソニーは、様々な日本の包丁を使いこなすことで、
もっと正確にデリケートに食材を切れるようになったと語っています。
つまり日本の包丁が彼らの食のクリエイティビティを広げているんです。
同時進行で、日本の食材やテクニックも西洋の料理にどんどん取り込まれています。

そして、こうしたセレブシェフの影響で、アメリカでは一般人の間でもお料理ブーム。
家庭でお寿司を作ってみたいという人もいて、
本格的な日本の包丁に興味を持つ人も増えています。

まさに日本の包丁がアメリカの食を変える、触媒のようになっています。
そして、さらに日本の食を広めるために作織さんはセレブシェフたちと組んで、
色々な取り組みをしています。

その一つがThe Gohan Societyという非営利団体。
日本食に興味があってもなかなかその本場まで行く機会のない若いシェフを、交換留学の形で日本に送るという初めての試みで、日米の食の交流に大きく貢献しています。その活動にマイケル・アンソニーらセレブシェフがこぞって協力しています。

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もう一つは作織さんが最近出版した本「Chef’s Choice

22人のシェフら食のプロ達が、自分たちが日本食からどれほど影響を受けているのかを、料理や食材、ツールなどを例にとって語っています。英語の本ですが日本のアマゾンでも買えるようなので、興味のある方はぜひ。

 

JFN Day By Day ネット20局のリストなどはJFNオフィシャルサイトから
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[Radio]サイレントディスコ@メトロポリタン美術館: JFN Day By Day

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メトロポリタン美術館のエジプト神殿の前でヘッドフォンをした人たちが・・・

ニューヨークはカラカラ天気が続いています、そんな中
今度の月曜日が独立記念日、金曜日から4連休の人もいて、職場はちょっと浮き足立っている雰囲気です。

さて、先週はプライドウィークのお話をしましたね、
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー)の人権を守り、
ストレートの人も一緒に生きる喜びを分かち合う1週間
そのハイライトが日曜日のプライドマーチでした。
今年はフロリダの事件の犠牲者を追悼するパレードでもあり、
なんと160万人が集まったんです。

それ以外にもプライドウィークのイベントが盛りだくさん、
私が参加して面白かったのが、金曜日の夜のパーティです。

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まるでお城のように広大なメトロポリタン美術館

場所はあのメトロポリタン美術館。
パリのルーブル美術館のような存在で、ザ・メットの愛称で親しまれています。
特に古代エジプトの展示が有名で、
その中心の「デンドゥール神殿」は巨大なガラス張りの空間に、
実際にエジプトから運んできた神殿の遺跡が立っているというすごいスケール。
その前にはナイル川をイメージした水と、パピルスも。

こんなすごい場所がクラブに変身!
でもミュージアムなので、ダンスミュージックをガンガン流せないので、
「サイレント・ディスコ」でした。

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みんな写真(特にセルフィー)とりまくってる!

聞いたことはあるでしょう?
ヘッドフォンをして楽しむディスコパーティ。
ここ数年、少しずつ人気が出てきているもののまだまだ珍しい、私も初体験。
メットでも初めての試みだったそう。

サイレント・ディスコ、どういう仕組みかというと・・・
まず入り口でヘッドフォンを貸りる。
そのヘッドフォンをつけた瞬間、ガーンと音がきて、
そこはもうパーティ会場!

遺跡の周りにDJブースが3つあって、
3人のDJが、ポップ系、ハウス、テクノと、それぞれ別の音楽をかけている。
ヘッドフォンにチャンネルが付いていて、自分の好きな音楽で踊れるんです。
チャンネルを変えると音楽だけでなく、ヘッドフォンの色も赤から青、そして緑に変わる。
私は、大好きなニューヨークのレジェンドDJ 、ダニー・クリビットのハウスが赤だったので、赤のチャンネル。

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なのに、隣の青の人と結構リズムが合っちゃったりして。
もう普通にクラブで踊るのと同じノリで楽しめます。
ところが何かのはずみでヘッドフォンが外れた瞬間。

・・・シーン・・・

とした遺跡で、ヘッドフォンをつけた群衆がただクネクネしている、
かなりヘン。

すぐにヘッドフォンをつけ直し、再びダンスに没頭・・・
と、近くの青いヘッドフォンの人たちがいきなり盛り上がり始めたので、
再びヘッドフォンを取ると、
踊りながらみんなでプリンスの「I Would Die 4 U」を大合唱していた!
こうなると全然サイレントじゃないのですが、とにかく空間が巨大なので全く問題なし 。

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ニューヨークのクラブシーンのレジェンド、DJダニー・クリビットのブース前で、ニューヨークのジャパニーズ・レディース集合!中央私の隣はダニーのワイフ、シンガーソングライターのAKさん

ニューヨークのエジプト遺跡で不思議なワクワク体験!だったんですが、
実はこのイベントには大切なメッセージがありました。
主催したのは、「Love Heals」という、若者に対するエイズ教育を推進する非営利団体。
エイズ教育の大切さをアピールし、
普段美術館に行かないような人もどんどん取り込んで
ここはあらゆる人に開かれた空間ですよ! というメッセージも発信している、
プライドウィークならではのいいイベントでした。

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[Radio]PRIDE WEEK 2016 フロリダ銃撃からトランスジェンダーのトイレ問題〜LBGTをめぐるたった今:JFN Day By Day

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LGBT運動の発祥の地Stonewall Inn前、フロリダの犠牲者を追悼する花やキャンドル、そしてレインボーの旗が飾られています

ニューヨークに戻りました。

戻ってみると大きく報道されていたのは、先日フロリダで49人が射殺された事件です。
イスラム過激派に影響されたテロかそうでないのか? 未だにはっきりした答えが出ない、その理由は、犯行現場がゲイクラブだったから。
ゲイをターゲットにしたヘイトクライムではないか? あるいはその両方とも言われています。
ビレッジにあるバー「Stonewall Inn」(1969年に起こった警官隊との衝突事件がLGBT運動の発祥のきっかけとなった)の前には、犠牲になった人たちを追悼する早やキャンドルが置かれ、多くの人が足を止めていました。

そして事件から1週間たった今週のアメリカは「プライドウィーク」を迎えています。

「プライドウィーク」というのは今から46年前ニューヨークで始まったLGBTの社会運動です。
LGBTはレスビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー、(現在アメリカの人口の4%がLGBTと言われています。)
1週間の間に政治的な集会から、最後の日曜日に行われるパレードやパーティまで、全米でたくさんのイベントが行われます。

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PRIDE MARCH 2011

特にニューヨークのパレードは、レインボーカラーの旗を持った何千人もの人たち、派手に着飾ったトランスベスタイトや、上半身裸のマッチョなお兄さんたちが踊りながらパレード。それを100万人以上の人が見に来て一緒に楽しむすごくハッピーなイベント。とにかく彼らの巻き込みパワーがすごい!

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PRIDE MARCH 2011 (パレードではなく”マーチ”なのは”デモ行進”みたいなニュアンスが含まれるから)

踊りながら、LGBTの人権だけでなく、性別とか肌の色を超えて、あらゆる人の権利と融和、さらには世界平和をアピールしている。
だからストレートの私でも、人と違ってもいい、 人と比べないで自分らしく生きればいいんだ、という勇気が湧いてくる・・・ニューヨークのLGBT運動の魅力はこういうところにあると思います。

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PRIDE MARCH 2011

実は・・・その LGBTをめぐるアメリカの環境がここ数年で激変しています。
まず最大の変化は去年、連邦裁判所が同性婚を認める判決を出したこと。
社会、文化的な変化がこれほどのスピードで進むのはアメリカの歴史始まって以来とも言われています。

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PRIDE MARCH 2011 この直前にニューヨーク州では同性婚が解禁に。「18年間婚約しててやっと結婚できる!」というプラカードを持ったカップル

ネット社会らしいスピードとも言えますが、LGBTの経済力、政治力が高まっているのも大きな理由です。

さらに今年はトランスジェンダーをめぐる動きが活発になっています。
トランスジェンダーというのは、生まれた性別と自分は違うと自覚している人たち。

実は去年、ブルース・ジェナーという元オリンピック選手のセレブが、ケイトリン・ジェナーに(つまり男性から女性に)なリました。この模様はテレビのリアリティショーなどで大きく紹介され、トランスジェンダーに突然スポットが当たりました。

そして最近のトイレ問題・・・ トランスジェンダー特に高校生や大学生が男女どちらのトイレに入ればいいのか? という問題が 大論争に。
ノースカロライナ州では「もともとの性別のトイレに入るべき」という法律が可決、それに対してブルース・スプリングスティーンなどのアーティストがコンサートをボイコット。

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それに対しオバマ大統領は「自分が自覚する性別の方に入るべき」と声明を出して、またそれが大論争になり、LGBTの周囲は騒がしくなっています。

もちろん全ての人の人権は守られるべき、これがアメリカをアメリカたるものにしているのは間違いありません。
でも同性婚に反対する人は、減ってはいるもののまだアメリカ人の4割近く。

連邦政府はOK出しても、州法で同性婚を禁止している州が、50州のうち13州。
ホモフォビアと呼ばれるLGBTを嫌悪する人も少なからずいて、常にヘイトクライムが問題になっています。

それでも前に進もうとするのがアメリカという国でもあります。
今年のパレードは今度の日曜日、ただし、テロを受けて 警備が厳しくなるかもしれませんが、フロリダの犠牲者を追悼する熱いパレードになりそうです。

Pride Week Official Website
https://www.nycpride.org

JFN Day By Day オフィシャルサイト
http://www.jfn.jp/RadioShows/day

[Radio]ブラボー!宮嶋みぎわさん&New York Japanese Women Jazz Composers!!

(c)LANDTV

(c)LANDTV

JFN DAY BY DAYの電話レポートの原稿です、聞けなかった方是非読んでみてください。今日のキーワードは「NYジャパニーズ・グローカル」

グラミー賞に2度ノミネートされた日本人女性がプロデュースするジャズイベント

ニューヨークではさぞや女性がパワフルなんだろうなーと想像されてます? まさにその通りなんですが・・・

ジャズの世界では? まだまだ男性が主導。

ところが先日行ったイベントは、
作曲家でビッグバンドリーダー4人が 登場。
そして、全員若い日本人女性

しかもその全員が、ジャズのビッグバンド界では著名な賞をとったり、
ノミネートされている、これから期待の実力派ばかり!

中でも中心メンバーの宮嶋みぎわさん
ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ(元サド・ジョーンズ=メル・ルイス・オーケストラ)という、アメリカでもトップのビッグバンドの、アルバムの副プロデューサーでもあります。

そしてヴァンガード・ジャズ・オーケストラと共に、
グラミー賞に2回もノミネートされているんです!

彼女たちのイベントのタイトルはそのものスバリ!
New York Japanese Women Jazz Composers!!

 会場はブルックリンのライブハウス「Shapeshifter Lab」倉庫風のかっこいいスペース。

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 みぎわさんはじめ、4人が自分たちの曲を持ち回りで指揮するんですが、
ビッグバンドのメンバーがまたすごいです!
全員ニューヨークで大活躍している若手アメリカ人ミュージシャン。
(ヴァンガードオーケストラのメンバーも)そして全員男性

これがですね、日本人の女性バンドリーダーが、アメリカ人の男たちを指揮している姿は
もうかっこいいの一言に尽きる!

その音楽がこれまた素晴らしい、
全員トッププレイヤーなので、かなり難しい譜面をほとんどリハなしでも、
楽しそうにバリバリ演奏!
その楽しさと緊張感が一緒に伝わってきて、音楽好きにはたまらない!

しかもこのイベント、ジャズにあまり馴染みがない人でも楽しめる仕掛けがされているんです。

まず、ビッグバンドの演奏にいきなりダンサーが登場!
かなり意外な展開だけど、これがエモーショナルな演奏にマッチして、かなり面白い。

(c)LANDTV

(c)LANDTV

かと思うと、突然音楽と生花のコラボ。。
この池坊の師範は日本語が一言も話せないアジア系アメリカ人女性。

そして休憩時間には、酒マスターによる日本酒バーがオープン!

これは、必ずこうしたジャパンの要素を加えて、日米の交流に役立てようという
意図があるんですね。

会場の7割以上を占めたアメリカ人のお客さん、めちゃめちゃ楽しんでいました。
特に日本酒に長い列!

アメリカでは以前もお伝えした通り「Diversity(人種や性別などの多様性)」が
ますます注目されているので、彼らの活動これからが本当に楽しみですね!

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ニューヨークで活躍する日本人女性ビッグバンドリーダーというと、秋吉敏子さんを連想しますが・・・そんなにたくさん若手の女性ビッグバンドリーダーがいるなんてびっくり!

実は彼ら全部で5人いて、ニューヨークで最も権威のあるビッグバンドのワークショップで、偶然出会ったのがきっかけで、一緒にやろう!ということになったそう。

・・・ なぜ女性ばかりが5人なのか、自分たちでも???とか。

一つ考えられるとしたら「ビッグバンドリーダーって大変。譜面書きからマネージメントまでかなり緻密な作業が要求される、女性はそういうのが得意なのかも?」ということでした!

この日のレポート終わりでプレイしたのは・・・
宮嶋みぎわさん作曲、指揮による「Drops into the sky」       」を
特別にこの日収録した音源をお借りして、ライブ感いっぱいでお届けしました!

JFN DAY BY DAYのオフィシャルサイト

 

NYJWJC:New York Japanese Women Jazz Composers
Founders
垣谷明日香(Kakitani Asuka, music director)、宮嶋みぎわ (producer)、大城奈緒美(Oshiro Naomi, director)

日曜日に参加した作曲家の名前(あいうえお順)
植田典子(ベーシスト作曲家)BMIチャーリー・パーカーアワード優勝者
垣谷明日香(作曲家)BMIチャーリー・パーカーアワード優勝者
宮嶋みぎわ(ピアニスト・作曲家)グラミーノミニー・BMIチャーリー・パーカーアワード・ファイナリスト
メグ・オークラ(ヴァイオリン奏者・作曲家)グラミーノミニー
その他日曜日参加したのは・・・
・18人編成の「SAKURAジャズ・オーケストラ」(このプロジェクトのために編成)
・ダンス:AKDance 代表亀井彩花
・生花:池坊流師範ポーラ・タム
・日本酒:酒マスター木下かずひろ
・専属デザイナー:吉田紗知子
(c)Kengo Osaka

(c)Kengo Osaka

宮嶋みぎわさんのウェブサイト
http://www.miggymigiwa.net/

 

 

 

[Radio]ヒロシマ・・そして大統領が謝罪できないアメリカ史の最大の汚点

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今日のキーワードは「Apology 謝罪」 JFN DAY BY DAY 5月26日(木)にレポートした内容です。

オバマ大統領がG7で日本にいますね。
中でも 大統領として戦後初めて訪問する広島で、何を語るのか・・・・原爆投下に関してホワイトハウスは「謝罪はない」と言っているが。実際にどうなのか?
そしてアメリカ人これをどう見ているのか?気になっている方もいるかもしれません。

がっかりさせてしまうかもしれませんが、実はこれに関する報道は今の所とても少ない、関心も薄い。

その最大の理由は、今大統領選の真っ只中だから。今日もカリフォルニアでトランプ支持者と反対派の衝突が大きなニュースに。泥仕合いになってきている選挙戦、国の未来がかかっているだけに、
アメリカには今過去を振り返っている余裕はないのかもしれません。
しかもオバマ大統領の任期はもう終わったも同然と思われている…これがアメリカの現実です。

でも数は少ないけれど、有識者層が読むNYタイムスとか、
サロン・ドットコムみたいなリベラルでオルタナティブなメディアでは
しっかり議論がなされている。それはちゃんとお伝えしたい 。

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クリックするとオリジナル(英語)記事にリンクします

ここで…もうこれも皆さんご存知と思いますが、
一般のアメリカ人が原爆投下をどう考えているのか、
戦争終結のためには必要な行為だった、と考えている人が、
去年の時点(最新の統計)アメリカ人の45%
投下すべきでなかったという人の29%を上回っている。

しかし「必要だった」と考える数は年々減り続け、若い層では逆転している。
歴史は時代とともに解釈が変わるし、風化したというのもある、単純ではありません。

ただそういう中で、多くの有識者が訴えているのは、
原爆投下は何が何でもモラルに反することで、
たとえ戦争だからといって、許されるべきではない。
「謝罪することで歴史的事実を認めているというメッセージを送るべき。」ということなんです。

でも謝罪はそう簡単ではないことも、アメリカの歴史が語っています。
例えばアメリカには他にも 負の遺産がたくさんあるが、
その最たるものが奴隷制度です。
アメリカの歴史最大の汚点にして 最悪の犯罪とも言われる。
アフリカから 連れてきた黒人奴隷に
数百年に渡り過酷な労働を強いて、
数え切れない人が亡くなったのはもちろん、
そのおかげで今も多くの黒人が貧困の中で暮らし、
人種差別や偏見がアメリカ社会を蝕んでいる。
一方で彼らの無償の労働力のおかげで、国が豊かになり、
アメリカの今があることは誰もが知っている。
ところが 大統領も、政府としても、 これに
関して未だちゃんと謝罪していない。

奴隷解放から何年経っているのかというと・・・今年で151年。
誰もが歴史的事実を認めているのにもかかわらず、
「あやまる必要はない」という人が、
減ってきてはいるものの、アメリカ人の49%
あやまるべきという人の41%を上回っている。
謝ろうにも当事者がもう誰もいない、それに謝ったらじゃあ保証はどうするのかという問題も出てくる・・・

モラルを語りながらも、アメリカ人はこうした矛盾、ジレンマの中で生きている。
アメリカに限らず、どんな国でも大なり小なりこうした過ちを犯している。
特に強大であればあるほど負の遺産は大きい。

課題は残り続けますね・・・・

 

 

 

 

 

[Radio]年収1千万円でも住めない?ニューヨークの仰天住宅事情

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最近の調査によれば、ニューヨーカーの7割近い人が、ここ2年以内に今の場所に住めなくなるという不安を抱えて生きています。年収一千万円以上の人でさえ5割以上が同じ不安を持っているんです。

それは、給料が上がらないのに家賃が異常な値上がりを続けているから。

例えば私が住んでいるマンハッタンの黒人コミュニティ、ハーレム地区、引っ越してきた15年前には貧困地区で犯罪も多かった。ところがこの5年で、家賃が1・5倍にはねあがり、今1 BR  = 1LK平均28万円

日本でも人気のブルックリンのウィリアムズバーグは1・7倍の33万円

これでも安い方、ニューヨークのど真ん中、マンハッタンの1LKの平均家賃は?
なんと45万円!(チーン)
この月45万円というのは、ニューヨーカーの平均世帯収入です。

こうなると何が起こるのか?

→まずマンハッタンには住めなくなった人が、周辺部に出て行く。

→そうすると周辺部が再開発されて、安全でおしゃれな街になって家賃が上がる

→前から住んでいた人が住めなくなってもっと周辺部に出ていく

→引っ越してきた人も何年か経つとまた弾き出される。

この繰り返し。

このサイクルは前からあったけど、こんなに急じゃなかったのに、
今は5年とか ひどいと2〜3年で変わっちゃう。

そして、引っ越そうとしてもアパートがない!!
ニューヨーク市内のアパートの空き部屋率3%
マンハッタンに至っては1% 物件全くないと言っていい。

実はニューヨークは建築ブームで、そこら中に高層の住宅ビルがにょきにょきできているがそれでも足りない、理由は?

外から来るお金持ちが高い家賃で住む。
前から住んでいる人より、お金がある人が 優先になっている。

外国人などの投資家が投機の対象として「絶対に値下がりしないニューヨークの不動産」を買うので、アパートが減る。

マンハッタンにアパートを借りられる人も買える人も上位10%以内のお金持ち、(販売価格の平均は2億円) それ以外の9割以上の人は住宅難民化している。

・・・これは結局「格差問題」

一番困っているのは、長く住んでいたお年寄り。何十年生きてきた街に住めなくなる。そしてこれから独立する若者・・・住むところがないから親と住むしかない。

コミュニティも変わってしまう。変化は新しいものが生まれるエネルギーでもある。お金持ちが増えれば、警官の数も増えて安全になる。でも多くの人がその恩恵を受ける前に街を去らなければならない現実・・・

実はニューヨーカーはこの住宅問題が、犯罪よりも経済よりも、何よりも深刻な問題と考えています。

少し前までは、これが資本主義だから仕方ないと思われていました。でもここまでくると、空気や食べ物と同じように、住む場所は人間の基本的人権のはずなのにおかしい!という声が強くなる一方です。

そしてアメリカの大都市はどこも同じ状況。

・・・でこれが以前からお伝えしている大統領選、各党の候補者を選ぶ予備選挙に関わって来るんです。

民主党のフロントランナーのヒラリーを相手取って、
二番手のサンダース候補が前面にあげているのがこうした格差問題です。だからサンダース候補が未だに強い・・・今週もオレゴンでヒラリーに勝って、ケンタッキーではほとんど引き分けました。

それにしてもこの住宅問題、一体どうすれば解決するんでしょう? 名案がある!という方は是非コメントに書き込んでください!

 

[Radio] ミレニアルズはなぜアナログレコードを買う?エクスペリエンス・エコノミーの時代:JFN recap April 28, 2016

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アナログレコードブームが続いています。

アメリカでは去年売れたアナログレコード 1700万枚で前年のなんと3割増
売り上げ全体のわずか5% でも確実に伸びています。

なぜ売れているのか?

その理由は「レコードストアデー」に行けばわかります。

今日のキーワードは「アナログ・レコードはイベントである」

全米1400店の独立系レコードストアが参加 年に一度のレコードのお祭りです。
実は、2008年にスタート以来、アナログの売り上げが上昇に転じ始めたんです。

今年は4月16日土曜日に開催・・・今年も行ってきました!

今年はブルックリン・ウィリアムズバーグのレコードショップラフトレードへ・・・イギリスのあのインディーレーベルの直営店です!

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いきなりすごい行列! ミレニアルズと呼ばれる20代〜30代前半の若者。
インストアライブもやっているけれど、ライブに並んでいるんじゃない、
レコードストアデーにしか買えない、 限定リリースのバイナルを買うためなんです。

ビッグスターの新譜のアナログ限定版、
ボブ・ディランなどロックの殿堂入りアーティストの復刻版
スペシャル・コンピ、カラーバイナルなど全部で約400種類、
それも世界で2000枚〜5000枚の超限定版!

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それらが集められた特設エリアでは・・・

「デビッド・ボウイーの1966」と「チープトリックのニューアルバム」ください
「ジャスティン・ビーバーのシングルください」
みんなちゃんと調べてきている・・・人気のあるレコードは開店数時間で売り切れ!

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買ってもターンテーブル持ってない人の方がまだ多いから、
持っている人の家に集まってみんなで聞いているそうです。

デジタルネイティブにとって音楽は普通ヘッドフォンで一人できくもの
レコードならみんなで楽しめる、ゆっくりお酒を飲見ながら・・・

さらに、わざわざジャケットから出して、レコードに針を落として・・・
この不便さがいいそうなんです・・・時間の流れが変わるのかな?

ミレニアルズにとって 買いに行くことも聞くことも含め、
アナログレコード自体がイベント感覚。

それを本当にイベントにしたのがレコードストアデーというわけなんです。

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モノではなく、体験が売れる時代と言われています。
EXPERIENCE ECONOMYという言葉も。
アナログレコードは聞くものではなく体験するもの。

しかも1枚でみんなで色々楽しめて安上がり?
若者の就職難が続く時代だからこそのトレンドとも言えそうです。

ところがこのアナログの未来に立ちはだかる壁があります。プレス工場の不足が深刻なのです。
そこで、新たにもっと効率よく、環境に優しいレコードのプレス機械を考案するミレニアルズも出現しています。それはまた次の機会に書きたいと思います。

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シェリーめぐみのNYレポートはJFN の午後ワイドDAY BY DAYで毎週木曜日午後2時すぎにオンエアしています。ネット局などの情報はこちらをご覧ください。

DAY BY DAY公式ウェブサイト

[RADIO] JFNレポートrecap サンダースの奇跡はなぜNYでは起こらなかった?

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JFNの午後ワイドDAY BY DAYの電話レポート今週は、ニューヨークの今週の最大の話題、昨日行われた大統領選の予備選挙を振り返りました。

それにしても、大統領ではなく候補者を選ぶだけの予備選がこんなに盛り上がるのは25年住んでいて初めてかも!?

両党のフロントランナー4人のうち3人 がニューヨークゆかりということもありますが、他にも理由があるんです。

ということで <今日のキーワード:大統領選・究極の選択>
メディアの論調を見ながらニューヨーカー目線でお伝えしたいと思います。

まず予備選の結果:共和党トランプ圧勝、民主党ヒラリー大賞、サンダースの連勝を止めました。

トランプの圧勝にはニューヨーカーも驚いた。
これだけ批判されているのに・・・メキシコ国境に高い壁を作って移民を食い止めろとか・・・バカにもされています、先日は911ナインイレブンと言おうとしてセブンイレブンといってしまったり!!!!

なのになぜ勝ち続ける?

その理由を誤解を恐れずに言うと→今回の選挙は究極の選択だから

・・・こんな世論調査が発表されました。 候補者の支持率ではなく「不支持率調査」

共和党のトランプ支持しない 68%
2番手のクルーズ支持しない 61%

つまり有権者はどちらも嫌!

特にニューヨークでトランプがクルズに大勝したのは、クルズがあまりにも保守、極端に右よりすぎるからと言われています。

そんなわけで今回の選挙は消去法の選挙、まさに究極の選択!!

一方民主党はちょっと違う

ヒラリー支持しない 58%
サンダース支持しない48%

だったらなぜヒラリーが勝つの? なぜサンダースの奇跡はニューヨークでは起こらなかった?

・・・サンダース候補は特に若者に人気というのは聞いたことがあるでしょう?
ニューヨークでは 18−29歳の実に7割がサンダースに一票を投じました。

貧富の差解消というスローガンや、権力とつるまないクリーンなイメージが強く支持されているんです。(サンダースについて東洋経済オンラインの「ミレニアルズ」 月刊「美楽」で詳しく書いています)

なのにサンダースが負けた理由は若者の投票が足りなかった・・・いやむしろしたくてもできなかった若者が多いからでは?とも見られているんです。

その理由は、州によって違うややこしい選挙法です。

アメリカは日本のように選挙権のある年になっても通知はこない
自己申告で投票権を得る。その時に支持政党を選んで登録します。
政党を選ばなくてもいいんです。INDEPENDENT でもいい。
まずこの締め切りが先月でした。

そしてニューヨークでは、州によって違いますが、ニューヨーク州の「予備選」では、
民主党に登録した人は民主党候補に、共和党に登録した人は共和党候補にしか投票できない。党をまたいじゃダメ。

じゃあ政党を選ばなかった人は・・・どちらの候補者にも投票できない。

ところが実は、今やアメリカには民主でも共和党でもないINDEPENDENTの有権者が4割もいます。つまりかなりの数の人は、トランプにもヒラリーにもサンダースにも投票できなかったことになります。そして実は、INDEPENDENTからの変更も含め、支持政党を変更する手続きは、去年の10月に締め切られていた!

これを知らない人がすごく多かったんです。

そして、もうお分かりと思いますが、サンダース支持の若者の多くは「インディペンデント」!!中には党籍関係なく投票できる州もある、そういう州でサンダースは勝ち続けてきたんです。

もちろん本選ではこんなことはないですよ。でも予備選で勝たないと候補になれないですからね!

ではまだまだ続く予備選は今後どうなる?
やはりトランプ、そして若者がキーになると思います。

嫌われトランプが同じくらい嫌われクルズのおかげで消去法で共和党候補になるのか?
サンダース支持の若者がどこまで投票所に押し寄せて、嫌われヒラリーを負かすか?

まさに究極の選択?

ちなみに今大統領をやった場合 、民主党候補がヒラリーなら、ヒラリーに勝てないのは、共和党のフロントランナートランプとクルズの二人だけ・・・だそうです。

 

 

 

 

 

[Radio] JFNの新番組Day By Dayに4/7からレポートします

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JFN(Japan FM Network)の新番組DAY BY DAYに毎週ニューヨークからシェリーめぐみの電話レポートが入ります。4月7日(木)が初回で14時すぎくらいです。ローカル20局ネット

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JFN DAY BY DAY official site

http://www.jfn.jp/RadioShows/day

4/27(月)朝8時15分:大阪の朝日放送ラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」に電話出演

大阪の朝日放送ラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」に電話出演します。
日本時間4月27日月曜日午前8時15分頃

番組サイトはこちら
http://abc1008.com/ohapaso/