アメリカの人種差別ほど複雑で見えにくいものはない・・・差別されている側にはハッキリと見えているのに。
「To Kill A Mockingbirdアラバマ物語」は1960年に出版、1930年代のアメリカで人種をめぐる事件をテーマに描いてベストセラーとなりピュリツァー賞を取り、中学の課題図書にもなっているハーパー・リーの小説。
そのオリジナル・バージョンが55年ぶりに明日発売されることになり(既に第一章のみ公開)大論争を巻き起こしています。長い間行方不明になっていた「Go Set A Watchman」の原稿が発見されたから、と報道されていますが詳細は本人が語らないため不明。
論争の的になっているのは主役キャラの激変。「アラバマ物語」では黒人のために戦い、そのキャラクター自体がアメリカのヒーロー像ともなった弁護士が、「Go Set A Watchman」では人種差別主義者として描かれていること。
NYタイムスによれば、当時は新人だった作者のハーパー・リーは最初「Go Set A Watchman」を出版社に持ちこんだところ、編集者に「キャラクターの一人である10歳の少女の目線で書き直してみては?」と言われて出版した「アラバマ物語」が大ヒットしたとのこと。
彼は果たして最初から人種差別主義者だったのか?
おそらく、これを読む人ひとりひとりが自身に問いかけることになるのではないかと思いますが、とにかく読んでみなければ、ですね。