
ワールドトレードセンター地下交通ハブ
早いもので明日9月11日(日)であの日から15年になります。私たちニューヨーカーにとっては昨日の出来事のように感じます。
一方でこの場所をグラウンドゼロと呼ぶ人も少なくなりました。
多くの歳月を費やしたワールドトレードセンターの再建も最終段階です。

One World Trade Center
去年ついにオープンした104階建てOne World Trade Center、
そしてこの夏オープンした4000億円を費やした巨大な地下交通ハブ。
建設中の高層ビルもここ数年以内に全て完成予定です。ダウンタウンのビジネスセンターとして復活、ビジネスマンと観光客で賑わっています。

地下交通ハブ外観
でも最も存在感を放っているのは、かつての2つのタワーの土台をそのまま使った水の追悼碑「メモリアルプール」です。滝のように水が流れ落ちるプールの周りは御影石で縁取られ、犠牲になった人々の名前が彫られています。

Memorial Pool
そして痛ましいのは、救助、復旧作業に当たった人たちが今も病気で亡くなっていることです。
ビルの崩壊で撒き散らされた多くの汚染・発がん物質による呼吸器疾患やがんなどでこれまでに1064人が亡くなっています。(数字は7月現在)その他PTSDなどの心の病気も含めると、40万人もの人が何らかの病気を患っていると推測されているのです。さらに問題を大きくしているのは。こうした人々の多くは自分の病気と911との関連性に気づいていないことです。がんなどは15〜20年経って発病することもあるため、これから患者が増えることも予想されています。911からおよそ1年間にグラウンドゼロ付近に居住したり働いていた人でリスクがあると思われる人は、連邦政府による無料の治療プログラムに参加するよう、呼びかけも行われています。
多くの人にとって911の傷は15年経った今も癒えていないことも、忘れてはいけないと思います。
明日の9月11日は私たちニューヨーカーにとってはやはり追悼の日です。
どんなに歳月が経っても、それは変わらないと思います。
