
Walter White, Jr. (RJ Mitte) – Breaking Bad
国勢調査によればアメリカ人の5人に1人は何らかの障害を抱えています。
そして、人種や性別で人を差別してはいけないのと同じように、
障害者への差別を禁じる法律が、26年前の1990年に制定されました。
それ以来ニューヨークの街も歩道の角の段差がなくなったり、廊下の水飲み場が低くなったり、トイレを車椅子用に広くしたり、かなりバリアフリーになってきています。
一方未だに遅れている部分もあります。
例えば ニューヨークの地下鉄駅はバリアフリーなのは2割以下。
インフラが古いせいですが、車椅子ではほとんど利用できません。
車椅子用タクシーは全体のわずか4%
でもそのかわりバスは100%が車椅子に対応。
アクセス・ア・ライドというバスと同じ料金で乗れる送迎サービスもある。
またエンタメの街だけに、車椅子で入れる劇場も充実
そのせいかニューヨークの街は車椅子やスクーターの人がすごく多く感じます。
こうした物理的なバリアフリーは都市によっても違いますが、
それ以外にも課題はまだ沢山あリます。
まず雇用。障害者で雇用されているのは現在約3割で、健常者の半分以下です。
それに関わってくるのが、障害者のイメージ、そして彼ら自身のセルフイメージをどうやってポジティブなものに変えていくか。
例えば、アメリカでは今回パラリンピックの報道は前回に比べ飛躍的に増えています。
アメリカでのテレビ放映は4年前のロンドンの10倍の70時間。(日本の半分以下)
これが障害者のイメージをポジティブなものにするのに大きく貢献しているのは間違いありません。
でも・・・障害者からは、パラリンピックの間だけ「あなたはヒーロー」「希望の星」と言われ、終わってしまえば元の日常に戻る感じがなんとも言えない、という切実な声もあるんです。
そして最大のハードルはハリウッド映画などのポップカルチャーと言われています。
ドラマも映画も障害者が出てくるものはほとんどない、あってもその役を演じるのは健常者の俳優・・
まるで黒人の役を白人がやっているようなもの。
障害者の役は障害者の俳優がやるべきでは?という声です。
そんな中で「ブレイキングバッド」という大ヒットドラマでは、
脳性小児麻痺の役を軽い脳性麻痺を持つ俳優RJ Mitteが演じました。
それを見て、障害は恥じることではないと心から実感できたという、これはリアルな 声です。
さらに今後はテクノロジーの進化で、障害を持つ人がパソコンなどテクノロジーに楽にアクセスできるようになることが大きく期待されています。
こうしていつか障害者と健常者との隔たりが限りなくなくなって、
障害を障害と感じなくなる世の中が、アメリカが目指すバリアフリーなんです。
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