[Radio]サイレントディスコ@メトロポリタン美術館: JFN Day By Day

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メトロポリタン美術館のエジプト神殿の前でヘッドフォンをした人たちが・・・

ニューヨークはカラカラ天気が続いています、そんな中
今度の月曜日が独立記念日、金曜日から4連休の人もいて、職場はちょっと浮き足立っている雰囲気です。

さて、先週はプライドウィークのお話をしましたね、
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー)の人権を守り、
ストレートの人も一緒に生きる喜びを分かち合う1週間
そのハイライトが日曜日のプライドマーチでした。
今年はフロリダの事件の犠牲者を追悼するパレードでもあり、
なんと160万人が集まったんです。

それ以外にもプライドウィークのイベントが盛りだくさん、
私が参加して面白かったのが、金曜日の夜のパーティです。

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まるでお城のように広大なメトロポリタン美術館

場所はあのメトロポリタン美術館。
パリのルーブル美術館のような存在で、ザ・メットの愛称で親しまれています。
特に古代エジプトの展示が有名で、
その中心の「デンドゥール神殿」は巨大なガラス張りの空間に、
実際にエジプトから運んできた神殿の遺跡が立っているというすごいスケール。
その前にはナイル川をイメージした水と、パピルスも。

こんなすごい場所がクラブに変身!
でもミュージアムなので、ダンスミュージックをガンガン流せないので、
「サイレント・ディスコ」でした。

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みんな写真(特にセルフィー)とりまくってる!

聞いたことはあるでしょう?
ヘッドフォンをして楽しむディスコパーティ。
ここ数年、少しずつ人気が出てきているもののまだまだ珍しい、私も初体験。
メットでも初めての試みだったそう。

サイレント・ディスコ、どういう仕組みかというと・・・
まず入り口でヘッドフォンを貸りる。
そのヘッドフォンをつけた瞬間、ガーンと音がきて、
そこはもうパーティ会場!

遺跡の周りにDJブースが3つあって、
3人のDJが、ポップ系、ハウス、テクノと、それぞれ別の音楽をかけている。
ヘッドフォンにチャンネルが付いていて、自分の好きな音楽で踊れるんです。
チャンネルを変えると音楽だけでなく、ヘッドフォンの色も赤から青、そして緑に変わる。
私は、大好きなニューヨークのレジェンドDJ 、ダニー・クリビットのハウスが赤だったので、赤のチャンネル。

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なのに、隣の青の人と結構リズムが合っちゃったりして。
もう普通にクラブで踊るのと同じノリで楽しめます。
ところが何かのはずみでヘッドフォンが外れた瞬間。

・・・シーン・・・

とした遺跡で、ヘッドフォンをつけた群衆がただクネクネしている、
かなりヘン。

すぐにヘッドフォンをつけ直し、再びダンスに没頭・・・
と、近くの青いヘッドフォンの人たちがいきなり盛り上がり始めたので、
再びヘッドフォンを取ると、
踊りながらみんなでプリンスの「I Would Die 4 U」を大合唱していた!
こうなると全然サイレントじゃないのですが、とにかく空間が巨大なので全く問題なし 。

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ニューヨークのクラブシーンのレジェンド、DJダニー・クリビットのブース前で、ニューヨークのジャパニーズ・レディース集合!中央私の隣はダニーのワイフ、シンガーソングライターのAKさん

ニューヨークのエジプト遺跡で不思議なワクワク体験!だったんですが、
実はこのイベントには大切なメッセージがありました。
主催したのは、「Love Heals」という、若者に対するエイズ教育を推進する非営利団体。
エイズ教育の大切さをアピールし、
普段美術館に行かないような人もどんどん取り込んで
ここはあらゆる人に開かれた空間ですよ! というメッセージも発信している、
プライドウィークならではのいいイベントでした。

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JFN Day By Day ネット20局のリストなどはJFNオフィシャルサイトから
http://www.jfn.jp/RadioShows/day

5月以降の情報は新JFNアプリJFN PARKからどうぞ!!
http://www.jfn.co.jp/park/

 

 

[Radio]PRIDE WEEK 2016 フロリダ銃撃からトランスジェンダーのトイレ問題〜LBGTをめぐるたった今:JFN Day By Day

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LGBT運動の発祥の地Stonewall Inn前、フロリダの犠牲者を追悼する花やキャンドル、そしてレインボーの旗が飾られています

ニューヨークに戻りました。

戻ってみると大きく報道されていたのは、先日フロリダで49人が射殺された事件です。
イスラム過激派に影響されたテロかそうでないのか? 未だにはっきりした答えが出ない、その理由は、犯行現場がゲイクラブだったから。
ゲイをターゲットにしたヘイトクライムではないか? あるいはその両方とも言われています。
ビレッジにあるバー「Stonewall Inn」(1969年に起こった警官隊との衝突事件がLGBT運動の発祥のきっかけとなった)の前には、犠牲になった人たちを追悼する早やキャンドルが置かれ、多くの人が足を止めていました。

そして事件から1週間たった今週のアメリカは「プライドウィーク」を迎えています。

「プライドウィーク」というのは今から46年前ニューヨークで始まったLGBTの社会運動です。
LGBTはレスビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー、(現在アメリカの人口の4%がLGBTと言われています。)
1週間の間に政治的な集会から、最後の日曜日に行われるパレードやパーティまで、全米でたくさんのイベントが行われます。

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PRIDE MARCH 2011

特にニューヨークのパレードは、レインボーカラーの旗を持った何千人もの人たち、派手に着飾ったトランスベスタイトや、上半身裸のマッチョなお兄さんたちが踊りながらパレード。それを100万人以上の人が見に来て一緒に楽しむすごくハッピーなイベント。とにかく彼らの巻き込みパワーがすごい!

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PRIDE MARCH 2011 (パレードではなく”マーチ”なのは”デモ行進”みたいなニュアンスが含まれるから)

踊りながら、LGBTの人権だけでなく、性別とか肌の色を超えて、あらゆる人の権利と融和、さらには世界平和をアピールしている。
だからストレートの私でも、人と違ってもいい、 人と比べないで自分らしく生きればいいんだ、という勇気が湧いてくる・・・ニューヨークのLGBT運動の魅力はこういうところにあると思います。

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PRIDE MARCH 2011

実は・・・その LGBTをめぐるアメリカの環境がここ数年で激変しています。
まず最大の変化は去年、連邦裁判所が同性婚を認める判決を出したこと。
社会、文化的な変化がこれほどのスピードで進むのはアメリカの歴史始まって以来とも言われています。

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PRIDE MARCH 2011 この直前にニューヨーク州では同性婚が解禁に。「18年間婚約しててやっと結婚できる!」というプラカードを持ったカップル

ネット社会らしいスピードとも言えますが、LGBTの経済力、政治力が高まっているのも大きな理由です。

さらに今年はトランスジェンダーをめぐる動きが活発になっています。
トランスジェンダーというのは、生まれた性別と自分は違うと自覚している人たち。

実は去年、ブルース・ジェナーという元オリンピック選手のセレブが、ケイトリン・ジェナーに(つまり男性から女性に)なリました。この模様はテレビのリアリティショーなどで大きく紹介され、トランスジェンダーに突然スポットが当たりました。

そして最近のトイレ問題・・・ トランスジェンダー特に高校生や大学生が男女どちらのトイレに入ればいいのか? という問題が 大論争に。
ノースカロライナ州では「もともとの性別のトイレに入るべき」という法律が可決、それに対してブルース・スプリングスティーンなどのアーティストがコンサートをボイコット。

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それに対しオバマ大統領は「自分が自覚する性別の方に入るべき」と声明を出して、またそれが大論争になり、LGBTの周囲は騒がしくなっています。

もちろん全ての人の人権は守られるべき、これがアメリカをアメリカたるものにしているのは間違いありません。
でも同性婚に反対する人は、減ってはいるもののまだアメリカ人の4割近く。

連邦政府はOK出しても、州法で同性婚を禁止している州が、50州のうち13州。
ホモフォビアと呼ばれるLGBTを嫌悪する人も少なからずいて、常にヘイトクライムが問題になっています。

それでも前に進もうとするのがアメリカという国でもあります。
今年のパレードは今度の日曜日、ただし、テロを受けて 警備が厳しくなるかもしれませんが、フロリダの犠牲者を追悼する熱いパレードになりそうです。

Pride Week Official Website
https://www.nycpride.org

JFN Day By Day オフィシャルサイト
http://www.jfn.jp/RadioShows/day